Ein Notizbuch 2

人々の言葉を記録し、引き継ぐためのブログ
 
西宮こしき岩アスベスト裁判 判決その後
4月16日に判決があった後、私たちは、6月23日に報告集会を開いた。
市会議員二人や、ジャーナリスト数名も参加し、弁護士チーム臨席の
集会だった。それを受けて、市会議員のよつや薫氏が、6月27日に
西宮市議会で質問に立った。
それは、

「アスベスト対策の拡充と徹底について」

というもので、判決の重要点を指摘したよい質問だった。

市議会のリンク先を参考に。

http://nishi.gijiroku.com/voices/cgi/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=1&SORT=0&KTYP=1,2,3,0&KGTP=1,2,3&
TITL_SUBT=%97%DF%98a%81@%8C%B3%94N%81@%82U%8C%8E%
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7C06%8C%8E27%93%FA05%8D%86&SFIELD1=HTGN&SKEY1=%82
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++%2F%21%28%29-&KGNO=1901&FINO=3695&HUID=305037&UNID=
K_r010627000556



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その重要点について、少し詳しく説明したいと思う。

私たちの裁判は不運に見舞われていたが、いくつかの幸運にも恵まれていた。

不運とは、夙川短大の解体工事が行われたのが、2013年(平成25年)6月〜2014年(平成26年)2月末であったが、工事開始の同年の平成25年6月21日、大気汚染防止法の一部を改正する法律(法律第58号)が公布され、翌平成26年(工事終了年と同年)の6月1日付けで施行され、この法律によって、特定粉じん排出等作業を伴う建設工事の実施の届け出義務者が、施工者から、発注者または自主施工者に変更されたのである。

つまり、私たちの裁判において、3者の被告のうち、発注者である、住宅デベロッパー「創建」は、ぎりぎりで責任を問われないということになった。

裁判において、私たち原告の請求は、それは損害賠償請求という形を取らざるを得なかったので、アスベストの潜伏期間は20年〜40年と長期にわたるため、結局棄却されたのだが、判決文において裁判所は、アスベスト被害を防止するための行政の役割を重視する判断をした。

私たちの幸運の1つは、工事が始まる前年から工事が始まる年にかけて、厚生労働省労働基準局から、石綿障害予防規則(石綿則)と石綿指針への3つの通知が、立て続けに都道府県労働局長に宛てて出されていたことだった。逐一挙げてみる。

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1.2012年(平成24年)5月9日 厚生労働省労働基準局長

 「建築物等の解体等の作業での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針」の制定について


この通知は、その細部事項において、解体前の事前調査を行う「石綿に関し一定の知見を有し、的確な判断ができる者」には、「建築物石綿含有建材調査者講習登録規定」(厚生労働省・国土交通省・環境省の告示第1号)第2条第2項の講習を修了した特定建築物石綿含有建材調査者及び建築物石綿含有建材調査者並びに日本アスベスト調査診断協会に登録された者が含まれる、と厳しく規定した。

また、分析による調査について、定性分析、含有率の分析にとどまらないこと。目視だけでなく試料採取、分析を行い、その際、試料採取箇所指示(判断)者を明確にし、報告書には、その者の情報を記録すること、また、表面にとどまらず、石綿指針の「下地近くまで採取することを」を改めて要求している。

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被告三栄建設(解体事業者)と被告市の職員の証言から、裁判所は、事前調査は全く行われなかった、と判断した。

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2. 2012年(平成24年)10月25日 厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長
 
 「建築物等の解体等の作業における石綿ばく露防止対策の徹底について」

これは、第8回東日本大震災アスベスト対策合同会議の専門家意見を踏まえて通知された。

事前調査の徹底のために、設計図書の確認を求め、外側からの目視のみでは見えない部分等への調査も求めている。また解体工事作業中に、石綿含有建材等を見つけた時は、速やかに作業を中止し、石綿則に基づくばく露防止対策を講じるよう、必要な対応を事前に取り決め、労働者に周知することを求めている。さらに、事前調査の結果、石綿等がないと確認された場合であっても、労働者に防塵マスク等の呼吸用保護具を使用させること、と明記している。

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被告三栄建設も被告市も設計図書を一顧だにせず、解体されたことが裁判によって明らかになっている。また、工事途中を撮影した貴重な画像が数十枚残っており、それを見ると、作業員は、防塵マスクどころか、普通のマスクさえもしていない。実際にマンションの五階のベランダから毎日のように見ていた私も同様に記憶している。

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3.2013年(平成25年)1月7日 厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長

 「建築物等の解体等の作業における石綿ばく露防止対策の徹底について」


この通知も、同じく第8回東日本大震災アスベスト対策合同会議の専門家意見を踏まえて通知された。

事前調査にあたっては、過去の経験や建築の知識にとらわれず、調査範囲を安易に絞り込むことのないように求め、網羅的かつ下地等目視では確認できない部分まで確実に調査を行うことを求めている。また試料採取を、下地や見えない部分まで貫通して行うことも求めている。特に「煙突」とまで、明記している。



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私たち原告は、解体直前の第12号館に煙突があったことを証明する画像を
入手して、裁判所に提出済みであった。



裁判所は、これら3つの通知を重視し、これらの通知における情報を、被告市職員は容易に入手できたはずであり、被告三栄建設の調査能力に一定の疑問を抱くべきであった、と判断した。また、網羅的な調査の重要性を指摘していること知っていれば、立入検査において、より慎重に石綿含有建材の有無について調査できたとも判断した。さらに、大防法26条、県の環境保全条例151条2項を取り上げて、西宮市長は、被告三栄建設が調査を怠っていた段階で改善命令(大防法18条の18)を出すという規制権限を行使でき、それをしていれば、石綿の飛散を防ぐことができた、と結論づけた。

石綿則、大気汚染防止法、県の環境保全条例など、種々の法規制がありこれを遵守すれば、アスベスト飛散など、起こるはずもない。罰則も緩ければ、立入検査も、被告市職員の証言によれば目視のみの緩さ。違法事業者野放しで、労働者の権利、住民の権利は守られない。一体、西宮市はどこを向いて仕事をしているのか。

冒頭、よつや薫氏の質問にたいする西宮市環境局長の答弁はこうであった。

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アスベスト対策の拡充と徹底についてのご質問にお答えいたします。
まず、相当量のアスベストの飛散を起こしてしまった事実を市はどのように認識しているか、についてですが、アスベストの飛散については、判決において、本件土地の周辺地域に一定量の石綿が飛散したことを否定できない、としたものの、この飛散した石綿のうち、本件土地の周辺地域に到達したものの量は客観的に見た時に、人体の健康に影響を及ぼすものであったと認めることはできない、と判断されたと認識しております。


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石綿の繊維の細さは髪の毛の5000分の1と言われており、9ヶ月にわたる工事の間、工事現場の真下の通学路を朝晩行き来していた子供たちへの影響がいかなるものか、そしてもちろん、現場の作業員の方々の健康被害はいかなるものか、長い潜伏期間を経なければわからない。石綿は、飛散させてはならないというのが、世界の原則である。私たちは、判決後も、定期検診の実施、石綿飛散防止のための条例をもとめて、西宮市に呼びかけ続けているが、状況は非常に厳しい。






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