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一人一票を求める裁判の判決について - 12月19日最高裁大法廷判決1
昨年末12月19日に、最高裁大法廷で、H29年の衆議院選挙の選挙区割りの違憲・選挙無効を求める裁判の判決が出ました。

11人が「H28年改正法(アダムズ方式採用)があるから、H29年衆院選を合憲」と合憲の多数意見を出し、4人が個別意見を出しました。

多数意見・・・大谷長官、岡部、山崎、池上、小池、木澤、
       菅野、山口、戸倉、深山、三浦各裁判官11名

個別意見・・・林、宮崎、鬼丸、山本各裁判官4名


裁判の先頭に立ってこられた升永弁護士は、これまでは人口の46%が50%の国会議員を選んでいたが、H28年の改正法により、H34年にはアダムズ方式が実際に行われることが見込まれており、そうなると、人口の48%が50%の国会議員を選ぶことになり、この2%の意味は非常に大きい、と評価しました。

さらに、最高裁の判決は、「国会はH28改正法(アダムズ方式)をさらに変更することは違憲である」旨説明したことになる、と述べて、この判決を評価し、さらにこの一人一票を求める裁判を続けてゆく決意を述べました。

これまで、少数意見は多くて2人でしたが、今回は4人の裁判官が、個別意見を書かれたので、とても嬉しく、勉強することにしました。すると、4人がそれぞれに全く異なる意見でした。

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林裁判官の意見

1. H29年衆院選の選挙区割りは合憲状態にあるとみることはできないが、不合理な制度の解消等、前進がみられるので、結論として、合憲である。

2. 投票価値の客観的測定値として、較差の数値についてみてみると、2倍の較差(これは本当は0,5なんですが)は不平等であり、当衆院選の最大較差1,979倍を平等とは言えず、違憲状態を脱して、合憲状態にあるとみることはできない。

そして、H29年9月27日最高裁大法廷判決(H28年参議院選に関する)を根拠として、各一票の価値が、財産、地位等によって差別されてはならないという投票価値の平等原則がまず優先的に尊重されなければならず、地理的、歴史的、社会的といった、選挙制度の構築に当たって国会が考慮することのある他の諸要素は、それ自体が、憲法上の要求でない以上、投票価値の平等原則の下位に立つものである、と述べ一人別枠方式などの要素を退けます。

3. 合憲状態と判定してしまえば、アダムズ方式が行われると見込まれるH34年まで、またそれ以降15年間は、「お墨付き」を与える可能性があり、アダムズ方式でも較差の縮小には限界があり、約2倍もの較差が恒常化しかねない。

4. 「絶えず活発に」改善を目指すべき。


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宮崎裁判官の意見

1. 宮崎裁判官は、憲法の要求する投票価値の平等は、人口比例を最も重要かつ基本的な基準とし、人口比例以外の要素は合理性がある限り考慮することを許容するとし、次のように自らの立脚点を明確に述べます。
 
合理性のない要素を考慮してされた定数配分が実質的にみて是正されたとは評価できない場合には、最大較差が2倍未満であっても、その定数配分が憲法の投票価値の平等の要求に反する状態でないと認めることはできない。

2. H23年大法廷判決を基準として、憲法の投票価値の平等の要求に反するとして合理性のない要素を考慮してされた定数配分がその後是正されているか否かを検証します。

その結果、H29衆院選の選挙区割りは、人口比例基準を採用していないこと、人口少数県への配慮という合理性のない要素を考慮して配分された区割りが大部分を占めていることが指摘されます。

「合理性のない要素」を宮崎氏は、はっきりと「一人別枠方式」と述べ、この方式の採用により生じた配分のゆがみは、人口の少ない県にだけでなく、人口の多い都道府県にも、同時に、かつ不可避的に及んでおり、その残された影響の程度は実質的に無視し難い大きさであり、是正はされていない、と述べています。

そして、憲法の要求する投票価値の平等の要求に適合する状態であったかどうか、を判断の対象にすべきであり、H29年衆院選選挙区割りにまだ反映されていない(アダムズ方式)を考慮すべきではない。以上、29年衆院選の選挙区割りは憲法の投票価値の平等の要求に反する状態、違憲状態であったと考える、と結論づけます。

3. しかしながら、動態的に観察して合憲性を判断するという判断枠組みを採用することは意味があり、アダムズ方式採用も法制化されているため違憲とはいえない

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林裁判官・・本件区割規定は合憲状態とは言えないが合憲。

宮崎裁判官・・本件区割規定は違憲状態であるが、違憲ではない。


| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) |

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