Ein Notizbuch 2

人々の言葉を記録し、引き継ぐためのブログ
 
カトマンズへ - あるドイツ人女性のこと
この半年間何度も思い出していた、今年3月にドイツを訪れた時のエピソードを一つ記録しておこうと思う。

3月11日をドレスデンで過ごした後、翌日の早朝のフライトでフランクフルトを経由して関空へ帰ることになっていたから、ドレスデンのアルトシュタットにあるホテルを出たのが、5時前ころだった。タクシーを呼んでもらって、早朝のドレスデン駅に到着。

空港駅行きの電車の発車時刻まで時間があって、この朝のあまりの寒さに、エレベーターでなかなかホームに上がれず、下で待っていた。人間は私一人と、他に掃除人と駅のパン屋に荷物を運ぶ人、それだけ。寒くて心細い時間が過ぎていった。

ようやく電車がきたが、客は本当に少なく、コントロールもなかった。30分程乗って、ドレスデン空港駅に到着。こじんまりとした、親しみやすい、愛着も湧いている空港で、ほっと一息ついた。

空港には乗客がそこそこいて、皆かなりの早朝のフライトだから、眠気を抑えながらという感じだった。いろいろな国からの乗客がいたように思う。チェックインが済んで、地方空港からの小さな飛行機(左3列、右3列)にようやく座って、いよいよだな、と目をつぶってこの10日間の滞在を振り返っていただろうか。そして、今日これからの、けっこう厳しい帰路のことを考えていただろうか。

蛇足だが、ザクセン州都ドレスデンがどれ程地方かは、フランクフルトからトランジットを経験すればよく解る。なにしろ、国際空港から乗り換えるためには、端っこの端っこまで、もうこれ以上端っこの搭乗口はない、というところまで歩かないと、ドレスデン空港への飛行機には乗れない。

帰りはその逆をたどるわけである。

年齢とともに、いつでもトイレに行けるように、座席はいつも通路側を予約している。まだ離陸しない内で、ふと目を開けると視線を感じた。

それは同列の一番窓側の席に座っていた若いドイツ人女性だった。
私とその女性との間の席は空席だった。

愛想よく"Hallo!" と声をかけて、また目を閉じた。昨日訪れたSchlachthof 5 のことなど思い出していた。ふと目を開けるとまた視線を感じた。

あの若い女性が私を見ているのだ。しかもにこにこと。
こちらもにこにこと返して、結局会話することになった。

金髪を顎くらいの長さまで伸ばしていて、化粧気はなく、肌は抜けるように白く、頬が今珍しいほどポッと赤らんでいた。服装は山登り風の軽快さ。ザクセン方言はなく、とても聞き取りやすかった。

会話内容は、彼女のパートナーの叔父が日本人であること。なるほど、だから私にシンパシーを感じていたのだ。そして、彼女の行き先は、カトマンズだということだった。

何をしにカトマンズへ?

子供たちと遊ぶためです。

あっとういう間にフランクフルトに到着し、互いによい旅を言い合ってさよならし、フランクフルトの空港で友人と会う約束のあった私は、待ち合わせを場所を捜してあちこち広い空港内を歩きまわって私は、またふと視線を感じた。

彼女だった。

彼女はたまたま私の行く先にいたのかしら。それとも、私をつけてきたのかしら。だとしたら、なぜ?心配で??

どうやら心配でだったらしい。フランクフルト空港では、チェックインした後、空港内の喫茶店に行くには少し工夫が必要なのだ。私も係員に説明したのだが、埒があかず、幸い、私を心配してついてきてくれた彼女の口添えで、無事チェックインしたまま友人に会うことができたのである。

大きな大きなリュックザックを背負ってずっとついてきてくれた彼女のことを今も何度も思い出す。

彼女ならカトマンズで子供たちと楽しく遊ぶことができただろうな。その後、無事ザクセンに帰っただろうな。今はどうしているかな。

| Till*eulenspiegel | 人 - Menschen | 20:53 | comments(0) | trackbacks(0) |

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