Ein Notizbuch 2

人々の言葉を記録し、引き継ぐためのブログ
 
個人になれない日本人
やんばるの森を守ろうと、あちこち電話をかけていた。

アキノ隊員から、やんばるの森の上を、おそらく轟音をたてて飛んでいる
のだろう、オスプレイの画像が Facebook に送られてきていた。
同時に、リュウキュウウラナミジャノメが今日はたくさん飛んでいた、と
いう報告もきていた。

チョウには興味が全くなかった。リュウキュウウラナミジャノメの画像を
見ても、ああジャノメチョウね、くらいの印象だった。
リュウキュウウラボシシジミの名前を知らされても、名前が長く
なかなか覚えられないなあ、くらいの印象だった。

沖縄防衛局に抗議し環境省に電話をするために、メモを用意した。
環境省に電話をかけて、しっかり繋いでもらうためには、しっかり
相手がどこかを伝えなければならない。
環境省自然環境局、野生生物課希少種保全推進室。役所はたとへば
こんな風に細分化されている。しっかり繋いでもらって、
しっかりこちらの要望を伝えなければならない。
そのためには、

「現在、オスプレイのヘリパッドの建設が進められている沖縄東村高江
のN1表、あるいは裏は、希少野生動植物で、沖縄固有種、
准絶滅危惧種に指定されている、リュウキュウウラナミジャノメの
多産地です。何卒、このことを市民に周知していただきたい。

あるいは、絶滅危惧B類に指定されているナミエガエル、ホルストガエル
の生息地です。

あるいは、絶滅危惧A類に指定されているヤンバルクイナ、ノグチゲラの
生息地です。

このことを市民に周知してほしい。力を貸してほしい。」

こう主張できるように、HPを見てメモし、準備しなくてはならない。

希少種保全推進室の人は言った。

「もう一度言ってください。何チョウですか?」

「リュウキュウウラナミジャノメです。絶滅から守るのが環境省の
仕事のはず。なんとか力を貸して欲しい。」

そう言って、電話を終えて。数日がたった。
今。N1付近はフェンスとフェンスで道が作られ、分断され、チョウは
それを飛び越えることができても、カエルはできないだろう。
オスプレイの排出する熱風は、湿地帯を侵し、多数の希少種は
生き残れないだろうと言われている。

改めてリュウキュウウラナミジャノメをよく見た。羽根の裏側の
白い紋がさざなみのような紋でしかもくっきりと美しい。
リュウキュウヒメジャノメも見たが、それぞれかなり違う。

気になってリュウキュウウラボシシジミをもう一度よく見た。
白い羽根に黒い小さな星がとても可愛らしい。
このチョウは1センチ程の小さなチョウだという。

そういへば、アキノ隊員のブログに、フタオチョウの蛹化の動画と
羽化の画像があった。前にも見ていたがもう一度見てみた。
幼虫の時の角、蛹化する時の様子、羽化したチョウの見事な美しさ、
豪華さ。あちこちのサイトで、フタオチョウが飛んだ時の姿を見てみた。

いてもたってもいられずに、ドイツの鱗翅協会にメールを書き、
日本鱗翅学会の各支部に電話をしてみた。
日本鱗翅学会はすでにこの3月、高江のヘリパッド建設に反対する文書を
防衛省、沖縄県等に宛てて出していることがHPから分かったが、
とりあへず、個別に抗議してもらいたいと思って、片っ端から電話を
かけてみた。

ある支部での電話のやりとりを紹介する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「担当に変わりますので、お待ち下さい」

「はい。」

「こちら○○大学ですが、学生たちに署名活動などすることはできかねます。」

「あの。緊急事態なんですよ。そんなことをしてもらいたいわけでは
ありません。」

「じゃあ、何を?」

「鱗翅学会の支部がこちらということで、お名前も上がってますので、
個人として抗議の電話をかけてもらいたいのです。」

「個人ですか?一体、誰ですか?」

「○○さんと、名前が上がってますが。」

「どこに上がってるんですか?どこのHPですか?」

数分が経過する。PCを操作している様子。

 。。。。。。。。。。。。。。


「もう結構です。緊急事態なんです。失礼します。」



どこへの電話も似たり寄ったりで、自分の住まいの近くのチョウには
興味があるが、遠くのチョウのことまで興味はない、と言う人もいた。

やんばるの森は一体どのくらい生き続けてきたのだろう。
調べたけれどわからなかった。
日米安保と言っても、過去数十年、今後数十年としても、たかだか
百年ちょっとだ。
東洋のガラパゴスとも言われるやんばるの森。固有種が数多く生息して
いる亜熱帯の森。亜熱帯に森があることその事が希少なのだと言う。


個人で抗議の電話をかける。それがそんなに難しいのだろうか?
いつも○○大学、○○新聞、○○会社、それが後ろにある日本人。
公安に目を付けられる、そう言う人もいる。
Seals はすでに公安の監視対象だよ、ということがネットでも言われている。
デモをしたから、自己主張したから公安対象。
それなら、個人が皆、監視対象となることをすればいいのだ、と
思うことにしている。全市民が監視対象になれば、それが普通になって、
公安は何を監視すればいいか、わからなくなるだろう。
冗談じゃなく。

私は思う。この国から絶対、スノーデンは生まれないし、
映画『スノーデン』(オリヴァー・ストーン監督)は作られない。
スノーデンは、たった一人の個人 citizen4 として行動した。
ドキュメンタリーの中で、インタビューがしばらく続いた後、
Guardian の調査報道記者 Ewen MacAskill の

 I don't know your name. という言葉に、忘れていたという風に

 Sorry. My name is Edward Snowden. と答えている。

彼自身が一個人として決断し、記者もこの一個人を受け入れた。
そして名前がスノーデンだった。

| Till*eulenspiegel | 日本-Japan | 12:34 | comments(0) | trackbacks(0) |

Calendar
SUNMONTUEWEDTHUFRISAT
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< August 2016 >>

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENTS

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE

OTHERS

PageTop