Ein Notizbuch 2

人々の言葉を記録し、引き継ぐためのブログ
 
安保法制違憲訴訟について
安保法制違憲訴訟に関して以下の連絡が来ました。
東京近辺にお住まいで、興味をお持ちの方、是非とも参加してくださいますようお願いします。

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安保法制違憲訴訟を応援してくださっているみなさんへ

※情報の拡散にご協力ください!


安保法制違憲訴訟の会、事務局からの緊急のご案内です。

昨年、7月20日忌避申し立てをして、停止しておりました国賠訴訟の期日が決定しました。直前のご案内で恐縮ですが、スケジュールをお知らせします。


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第9回 国賠訴訟口頭弁論
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2019年1月31日(木)
12:30 東京地裁前集合 アピール行動開始!
12:45 整列・入廷行進
12:55 傍聴席の抽選に並ぶ
13:30 開廷 ※103号法廷
14:30 報告集会 参議院議員会館101会議室


○その他のお知らせ
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今月末、ブックレットが発売されます!
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平和憲法の破壊は許さない 
−なぜいま憲法に自衛隊を明記してはならないのか
寺井一弘 伊藤真 小西洋之 共著 日本評論社
本体 800円 +税

安保法制違憲訴訟の会の共同代表、寺井一弘弁護士と、伊藤真弁護士、及び小西洋之参議院議員の共著「平和憲法の破壊は許さない」が今月末、出版されます。
昨年秋、安倍総理は自民党総裁選に立候補し、新たに三年の任期を手に入れました。
これを足場に、改憲の発議に向けてさまざまな動きをしています。現在、手にしている衆院、参院の各3分の2を超える改憲勢力を利用して、安倍総理にとっては最後のチャンスとも言える本年夏の参議院選挙前に改憲の発議を強行する可能性は今なお高いと思われます。
本書は、平和憲法を守りぬくための警告の書として、急遽出版することとなりました。


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第12回「安保法制違憲訴訟を読む」
特別ゲスト 飯島滋明 名古屋学院大学教授
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第12回 2019年2月12日(火)18:30 - 20:30

場所:東京ボランティア・市民活動センター (TVAC)AB会議室

テキストは、下記のとおりです。
・学者意見書「安保法制の憲法適合性について」飯島滋明(憲法学・平和学)名古屋学院大学教授
報告 山口あずさ


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安保法制違憲訴訟の会
事務局次長 山口あずさ
http://anpoiken.jp/
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町17-6 渋谷協栄ビル 6階
Tel: 03-3780-1260
Fax: 03-3780-1287
Mail: plaintiff@anpoiken.jp

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 21:24 | - | - |
一人一票を求める裁判の判決について - 12月19日最高裁大法廷判決2(追記あり)
鬼丸裁判官の反対意見

1. 鬼丸裁判官は、まず衆議院の責務(適正な国民の意思の集約)を述べた上で、憲法は1対1に近い投票価値の平等を保障しており、これが最も重要かつ基本的な基準であるのだから、約2倍の較差(本当は0,5なんですが)を認めることになるような考慮要素等が国会に認められる裁量であると解することは困難であるため、本件区割り規定は憲法に違反する、と結論します。

次にその検証です。
第1に、H29衆院選で、全選挙区289のうち、較差1,9倍以上の選挙区28、1,8倍以上の選挙区71、1,5倍以上の選挙区168。H34採用アダムズ方式をもってしても2倍近い較差が多数生じ、それを当然と容認することはできない、と述べます。

第2に、憲法前文、および43条1項の通り、国会議員は全国民の代表であって、全国民の視野に立って行動することが憲法の要求である、と述べて一人別枠方式を退け、近年の通信技術も憲法の要求を促進すると述べます。

第3に、H23大法廷判決が一人別枠方式を憲法の要請に反するものとしたことを改めて述べ、その後の法改正によっても、実質的に一人別枠方式が廃止された上での配分ではないことを強調。

2. H23年大法廷判決(H23年3月23日)からすでに6年6ヶ月が過ぎており、立法府が司法の判断の趣旨を踏まえ、投票価値の平等の実現に向けて真摯に行動していれば、1対1に近い定数配分及び選挙区割りは十分可能であったものであり憲法上要求される合理的期間は経過したというべきである、と述べて、これまで最高裁が違憲状態判決の際に認めてきた合理的期間をもここで退けます。

3. しかし、H29年衆院選は、投票価値の不平等を理由とする衆院選挙無効訴訟が提起されて以来、最大較差が初めて2倍未満となった選挙であり、アダムズ方式の採用も決まって較差縮小も見込まれ、1対1に近づくことが期待できるため、本件区割り規定は違憲であるが、事情判決の法理により、選挙無効の結論を出すのではなく、本件選挙は違法であることを宣言すべきである、という結論です。


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山本裁判官の反対意見


1. 山本裁判官は、憲法は代表民主制に支えられた国民主権の原理を宣明しており、国会を構成する両議員の議員は、公平かつ公正な選挙によって選出されなければならないと述べます。地域によって一票の価値に較差があったとすると、較差の分だけ強い政治力を及ぼしやすくなり、いずれの国民も平等に選挙権を行使できなければ、国民主権の原理は画餅に帰してしまうというわけです。

投票価値の平等があってこそ、代表民主制が国民全体から等しく支持される正統なものとなる。しかし、実際は、そうではない状態が継続している事実が指摘されます。

投票価値は1,0となるのが原則であり人口の急激な移動や技術的理由があってもせいぜい2割の程度の較差にとどまるべきであり、これ以上の較差を生じる選挙は違憲かつ無効と結論づけます。


2. 一票の価値の較差が2割程度を超えた場合には当該選挙は無効。無効とされた選挙に基づいて選出された議員によって構成された議院が行った議決も、無効とされた選挙に基づいて選出された議員も、違憲かつ無効とすべきである。 山本裁判官の結論は明瞭で、そう判決が下された場合の措置予測も怠りません。すなわち、

この判決を行使したとしても、選挙無効の判決の効力は将来に向かってのみ発生するので、判決前にされた議決等は効力を持つし、判決後は、効力を持つ議員で構成される院により議決を有効に行うことが可能であること。

議員においても、一票の価値が0,8を下回る選挙区から選出された議員の身分は無効であり、本件選挙区当日において、衆院小選挙区選出議員の定数289人中、一票の価値が0,8を下回る選挙区の定数の試算は55人であり、これらの議員が欠けても、衆院構成に支障はないこと。

3. 加えてここで、山本裁判官は、一票の価値の平等を実現するための具体的な選挙区割りに関していくつかの案を具体的に提示しています。


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鬼丸裁判官・・本件区割規定は違憲、選挙は無効にはしないが違法である。

山本裁判官・・本件区割規定は違憲、選挙は無効である。


なんとかまとめようとしましたが、結局かなりの引用になってしまいました。多数意見も含め、全文を検証という方は、是非、一人一票実現会議のHPでダウンロードしてください。

https://www2.ippyo.org/?p=981

追記

1月11日の閣議で、鬼丸裁判官の後任に、草野弁護士が任命された、と朝日デジタル版にて発表されました。弁護士が任命されたということで枠があるとは言え、私としては期待したいです。

以前、裁判官をしていた方から学んだのですが、ドイツ語では、Anwalt は「擁護者」の意味で、Staatsanwalt は「国を擁護する者」で日本語の「検事」の意味、Rechtsanwalt は「法を擁護する者」で「弁護士」の意味ということです。職業名の意味が、単語を見ればすぐ解る。ここにもドイツ語の論理性が現れていると思います。

さらに付け足すなら、ドイツ語で abordnen は「〜を代表として派遣する」という意味で、その過去分詞の名詞化である Abgeordnete は「代表として派遣された者」すなわち日本語の「(国会)議員」を意味します。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 22:49 | - | - |
一人一票を求める裁判の判決について - 12月19日最高裁大法廷判決1
昨年末12月19日に、最高裁大法廷で、H29年の衆議院選挙の選挙区割りの違憲・選挙無効を求める裁判の判決が出ました。

11人が「H28年改正法(アダムズ方式採用)があるから、H29年衆院選を合憲」と合憲の多数意見を出し、4人が個別意見を出しました。

多数意見・・・大谷長官、岡部、山崎、池上、小池、木澤、
       菅野、山口、戸倉、深山、三浦各裁判官11名

個別意見・・・林、宮崎、鬼丸、山本各裁判官4名


裁判の先頭に立ってこられた升永弁護士は、これまでは人口の46%が50%の国会議員を選んでいたが、H28年の改正法により、H34年にはアダムズ方式が実際に行われることが見込まれており、そうなると、人口の48%が50%の国会議員を選ぶことになり、この2%の意味は非常に大きい、と評価しました。

さらに、最高裁の判決は、「国会はH28改正法(アダムズ方式)をさらに変更することは違憲である」旨説明したことになる、と述べて、この判決を評価し、さらにこの一人一票を求める裁判を続けてゆく決意を述べました。

これまで、少数意見は多くて2人でしたが、今回は4人の裁判官が、個別意見を書かれたので、とても嬉しく、勉強することにしました。すると、4人がそれぞれに全く異なる意見でした。

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林裁判官の意見

1. H29年衆院選の選挙区割りは合憲状態にあるとみることはできないが、不合理な制度の解消等、前進がみられるので、結論として、合憲である。

2. 投票価値の客観的測定値として、較差の数値についてみてみると、2倍の較差(これは本当は0,5なんですが)は不平等であり、当衆院選の最大較差1,979倍を平等とは言えず、違憲状態を脱して、合憲状態にあるとみることはできない。

そして、H29年9月27日最高裁大法廷判決(H28年参議院選に関する)を根拠として、各一票の価値が、財産、地位等によって差別されてはならないという投票価値の平等原則がまず優先的に尊重されなければならず、地理的、歴史的、社会的といった、選挙制度の構築に当たって国会が考慮することのある他の諸要素は、それ自体が、憲法上の要求でない以上、投票価値の平等原則の下位に立つものである、と述べ一人別枠方式などの要素を退けます。

3. 合憲状態と判定してしまえば、アダムズ方式が行われると見込まれるH34年まで、またそれ以降15年間は、「お墨付き」を与える可能性があり、アダムズ方式でも較差の縮小には限界があり、約2倍もの較差が恒常化しかねない。

4. 「絶えず活発に」改善を目指すべき。


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宮崎裁判官の意見

1. 宮崎裁判官は、憲法の要求する投票価値の平等は、人口比例を最も重要かつ基本的な基準とし、人口比例以外の要素は合理性がある限り考慮することを許容するとし、次のように自らの立脚点を明確に述べます。
 
合理性のない要素を考慮してされた定数配分が実質的にみて是正されたとは評価できない場合には、最大較差が2倍未満であっても、その定数配分が憲法の投票価値の平等の要求に反する状態でないと認めることはできない。

2. H23年大法廷判決を基準として、憲法の投票価値の平等の要求に反するとして合理性のない要素を考慮してされた定数配分がその後是正されているか否かを検証します。

その結果、H29衆院選の選挙区割りは、人口比例基準を採用していないこと、人口少数県への配慮という合理性のない要素を考慮して配分された区割りが大部分を占めていることが指摘されます。

「合理性のない要素」を宮崎氏は、はっきりと「一人別枠方式」と述べ、この方式の採用により生じた配分のゆがみは、人口の少ない県にだけでなく、人口の多い都道府県にも、同時に、かつ不可避的に及んでおり、その残された影響の程度は実質的に無視し難い大きさであり、是正はされていない、と述べています。

そして、憲法の要求する投票価値の平等の要求に適合する状態であったかどうか、を判断の対象にすべきであり、H29年衆院選選挙区割りにまだ反映されていない(アダムズ方式)を考慮すべきではない。以上、29年衆院選の選挙区割りは憲法の投票価値の平等の要求に反する状態、違憲状態であったと考える、と結論づけます。

3. しかしながら、動態的に観察して合憲性を判断するという判断枠組みを採用することは意味があり、アダムズ方式採用も法制化されているため違憲とはいえない

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林裁判官・・本件区割規定は合憲状態とは言えないが合憲。

宮崎裁判官・・本件区割規定は違憲状態であるが、違憲ではない。


| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
クーデターの完成に向けて
今朝、共謀罪法、政府の言う、テロ等準備罪法が可決成立した、という。
あちこちのブログを読むと、NHKは、本会議の様子をほとんど報じなかった、
ということだ。

20日後にはこの法律は施行されるということである。恐ろしい。

昨年だったか、緊急事態条項でお試し憲法改正が行われるのでは、と
憲法学者や、弁護士たちが、様々に発言し、市民の勉強会も行われた。
その時、升永弁護士が強調していたのが、緊急事態条項によって、
発言力ある人々が政府を批判したとの理由で抹殺され、その後成立した
全権委任法で、全体主義国家の体制を整えていった、ナチスドイツの
やり方だった。

発言力のある政治家、ジャーナリスト5000人ほども
粛清すれば十分だ。それによって、真実は、一切人々に知らされなくなる。

そういう趣旨のことを升永弁護士は語っていた。

今、緊急事態条項ではなく、共謀罪法によって、それが実現しようと
している、と感じる。平成の治安維持法、と共謀罪についてはこの間、
ずっと語られてきた。

私は、この間、三宮の東遊園地からフラワーロード、センター街を、
「監視社会を許すな!」と、2度デモに参加した。もちろん、たった
2度に過ぎない。

先週は、元町駅前で行われた、コッカイオンドクのデモにギャラリー
として参加した。一人でも多くの人に立ち止まって聞いて欲しい。
コッカイでは、こんなアホらしい答弁がまかり通っている現実を
知って欲しい。NHKを見ていたってだめなんです。心の中で
叫びながら。

20日後には、施行されるこの法律で、人々はどう行動するだろう。
密告を奨励する仕組みになっているという。これまた、旧東ドイツが
そうであったように。旧東ドイツがどれほどの監視・密告社会であったか、
最近の映画では『善き人のためのソナタ(原題 Das Leben der Anderen)』
『東ベルリンから来た女(原題 Barbara)』を見ると、
ある程度は解ると思う。

旧東ドイツのザクセン州では、約30年前まで存在した監視社会の実態が
すでに若者たちの間では忘れられていることを懸念して、ギムナジウム
での教育の一環として、俳優が シュタージ Stasi (国家保安省)職員役を
演じ、生徒たちが市民役となり、小さな罪を咎めて、長時間の尋問を行い、
密告を促し、密告すれば罪は咎めないよ、という甘い言葉にそそのかされる
実体験をするという授業を行っている、と以前、
フランクフルター・アルゲマイネで読んだことがある。

思い出す努力、忘れない努力をしなければ、人はすぐ忘れてしまう。
しかも、それを経験していない人々にも伝えていかなければ
ならないのだ。

5月3日、安倍総裁が、日本会議で流したメッセージが今日も流れた。

「憲法とは、国の理想を語るものです。」

まことしやかに。自分だけの理想で市民を縛ろうとする権力者。

しかし、これは嘘だ。憲法とは、権力者が守らなければならない
ルールブックなのだ。


クーデターがもう少しで、完成する。おそらく、憲法が改正されたら、
完成だ。
| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 09:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
「抵抗権」を学ぶ 6
ドイツ憲法(基本法)20条はこうなっている。


(1) ドイツ連邦共和国は、民主的かつ社会的連邦国家である。

(2) すべての国家権力は、国民より発する。国家権力は、国民により、選挙および投票によって、ならびに立法、執行権および司法の特別の機関を通じて行使される。

(3) 立法は、憲法的秩序に拘束され、執行権および司法は、法律および法に拘束される。

(4) すべてのドイツ人は、この秩序を除去しようと企てる何人に対しても、他の救済手段が存在しないときは、抵抗権を有する。



沈在宇氏の論文 『抵抗権』から

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この4項、「この秩序(自由民主主義憲法秩序)を排除しようと試みるすべての者について、他に救済手段が不可能な場合に、すべてのドイツ国民は抵抗する権利を持つ。」これがドイツ基本法に規定された、

「憲法守護権としての抵抗権」

である。
この抵抗権は、クーデターや革命によって国家権力の作用が排除されている権力真空状態にあって、その簒奪に対応する抵抗権であり、目的は自由民主主義憲法秩序を守護することである。

従って、この抵抗権は暴力に対抗する抵抗権ではない。

抵抗しようとする国民は決して自己の人権や市民権を防御するために抵抗するのではなく、国家緊急権に該当する抵抗権を行使するためである。

憲法体制を簒奪から守護する責任は、本来、国家にあるもので、国民にあるものではない。

いかなる国家憲法も、自己の存立を否認する革命に対し無防備状態でいることはできず、自己存立のための国家緊急権を持っているが、それが不意の奇襲によって緊急権を行使出来ない時、国家に代わって、国民が憲法守護の緊急援助に出てくるよう呼びかけることが、この第20条4項の趣旨である。

この抵抗は、反対権のように、法治国家内に位置するわけではない。
この抵抗は、本来の抵抗権のように、不法国家に位置するのでもない。
この抵抗は、両者の中間に位置する。

すなわち、法治国家憲法が麻痺しているとは言え、まだ不法国家憲法が確立されてはいないからである。

暴政に対抗する抵抗権の保護法益は、直接的に人間の基本権である。
簒奪に対抗する抵抗権の保護法益は、間接的で、人間の基本権を保護する基本秩序である。

この基本秩序を排除する憲法破壊行為に対処することが憲法守護権、ないし、憲法緊急権としての抵抗権である。

この抵抗権は、既存の憲法秩序を守護するためのものであるから、本質からみて保守的なものである。

スラデチェック* は次のように説明している。

「憲法守護権としての抵抗権は、憲法上、革命のように既存の法秩序への攻撃に向けられるのではなく、その防御に向けられるものである。抵抗のモラルは、正当な憲法状態の死滅を防止することである。従って、このモラルは保守的である。抵抗において、既存の憲法状態との関係は肯定的である。

抵抗は憲法を破壊するのではなく、極端的な緊急状況下で、憲法を守護するための最後の手段としてなされる。あらゆる権利のなかの権利(Recht aller Rechte)である。

したがって、暴政にたいする抵抗権が、その本質からみて革命的であるのとは対照的である。


* H.Sladeczek, Zum konstitutionellen Problem des Widerstandes, in: ARSP, Bd.53, 1957, S.370.


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あくまでも既存の自由民主主義憲法秩序を守るための、憲法守護権としての抵抗権。

日本国憲法第99条で、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」はずの首相が、自民党総裁という二枚目の舌を使って、この5月3日の憲法記念日に、一方的に、憲法改正の期日を述べ、与党にその準備を命じた
私は、これは憲法改正とは名ばかりで、憲法排除、簒奪(クーデター)だと思う。これが簒奪でなくてなんだろう。**

権利のなかの権利。憲法守護権としての抵抗権が私たちの憲法にもあったら。ないものねだりをしても仕方がないが、そう強く思う。

講演会で、関西学院大学の教授が、さほど必要ではないような風だったが、この憲法守護権としての抵抗権を是非、憲法改正するなら規定してほしい、と思うがどうだろう。

それにしても、この権利の中の権利をどう行使すれば、憲法は守れるのだろうか。


** そう言えば、安保法制の議論の時、憲法学者の石川健治氏が、2014年7月1日に安倍政権が行った集団的自衛権に関する閣議決定を、「クーデターだ。」と語っていたのを思い出す。だとすると、私たちは、そのクーデターの最中にあると認識すべきではないか。

そう言えば、今年5月4日のSession22で、やはり、石川健治氏は、こう述べていた。今思い起こすと、身震いするほど恐ろしい。

「天皇陛下が、廃位させられたのでなければ、いいのですが。」

天皇のメッセージは、象徴として責務を果たしてきたが、その責務を果たせなくなる前に、その責務が継続して果たせる仕組みを作って欲しい、国民に考えて欲しい、というメッセージだったはず。

憲法の第1条で、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」と書かれているのに、国民の総意などそっちのけに、1回限りの生前退位で片付けた現政権。
象徴としての責務など、あなた限りで結構、と言わんばかり。

「天皇陛下が、廃位させられたのでなければ、いいのですが。」

いや、廃位させられたのだ。おそらく。そうでなければ、今上天皇の
怒り Unmut が表明されるはずがない。Der Spiegel 22 号は、その
83ページで、この怒りについて報道している。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 16:39 | comments(0) | trackbacks(0) |
「抵抗権」を学ぶ 5
沈在宇氏の論文 『抵抗権』から

全くの専門外であるため、かなり難しく、沈氏の論考をまとめるだけの
ものになっています。

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掘…餽蓋△領犒燭板餽馨況

(1)反対権としての抵抗権

法治国家は憲法において、言論、出版、集会、結社、示威の自由を
認めている。国民はこのような自由を通じて、国政を批判、抗議、
糾弾、反対することができる。

つまり、憲法で保障された民主主義的政治的自由権の行使によって、
国家権力の濫用を防止し、誤用が是正されることから、これは
予防的抵抗権ということができる。

これは憲法内抵抗権に属し、主に全面罷業(ゼネスト)や
暴力的闘争形態を取ることがあるにしても、あくまでも
「反対権としての抵抗権」にすぎない。

憲法内的抵抗権と、憲法外的抵抗権は明白に区別されなければならない。
これは、合法的暴力と、非合法的暴力の区別であるからである。

「反対権としての抵抗権」は、憲法上許された合法的な暴力行為であり、
現存憲法秩序の保障のもとで、その維持のために行われ、決して
それを否認したり、破壊するために行使されるものではない。

従って、この反対権を行使しながら、抵抗権を援用することは
法的には正当化されず、自己矛盾である。

ナイデルト* は次のように言う。

「法治国家内での合法的な反対権と、不法国家に対抗する正当化された
抵抗権を混同してはならない。反対権は合法的だが、人権と市民権への
侵害が極端な場合に、これを防御する最後の手段として援用される
抵抗権は、抵抗権それ自体に対する特殊な正当化根拠を除けば
非合法な自殺行為であり、法律違反である。このような
反対権と抵抗権を同一視するのは、不法国家の極端な状況を、
法治国家の中に引き込む結果を招く。」

「法治国家内における抵抗権」は、「不法国家内における反対権」と
同様に矛盾する概念である。

にもかかわらず、抵抗権の発動を不法国家内に局限した場合、およそその
実効性が期待されないという理由から、法治国家内に引き込むことを
期待する人びとも少なくない。 **

いったん独裁政権ができ、弾圧が始まると、いかなる国民も抵抗でその
独裁を排除できる可能性は少なくなる。したがって、最も効果的な抵抗は、
独裁政権が確立される前に行わなければならない。なぜ、抵抗がすでに
事実上不可能になるまで、待たなければならないのか。

ロック*** はこのように言っている。

「国民が奴隷になった後、彼らの自由のために闘争するよう命ずるのと
同様なもので、彼らを鎖でつないでおいて自由に行動するよう命ずるのと
同じである。」

独裁政権が確立する前に、日常的に(alltäglich)、小さな(klein)、
部分的(partiell)抵抗が行われることが必要である。


すなわち、批判権や反対権を行使することが必要ということである。
そして、これは抵抗権の行使ではない。

抵抗権と反対権の関係をみる場合、抵抗権は、反対し批判する自由のない
ところで、そのような自由を得るために闘争するものである。
反対権は、そのような自由があるところで、その自由を行使することに
よって抵抗状態が現れないように予防する機能をもっているものである。

全体主義国家は、つねに抵抗状況下にある。民主主義国家は、決して
抵抗状況下にはなく、反対状況と批判状況下にのみおかれている。

反対と批判ができるところでは、あえて抵抗する必要がないからである。

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*ルドルフ・ナイデルト(Rudolf Neidert) 
『ショーペンハウアーの法哲学と抵抗権についてのその沈黙』等の著作がある。
"Die Rechtsphilosophie Schopenhauers und ihr Schweigen zum Widerstandsrecht"
引用は、Renaissance des Widerstandsrechts? in: Neue Politische Literatur,14,Jg., 1969. S.248

** ここで名が挙がっているのは、
アルトゥール・カウフマン(Arthur Kaufmann)
フリッツ・バウアー(Fritz Bauer)
マックス・プリビラ(Max Pribilla)など。

*** ジョン・ロック(John Locke)
「抵抗権の最大擁護者」(Wikipedia)
引用は、Two Treatises of Government, by Peter Laslett, 2.edition, 1967,.chap.19,§220,p.429.


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今にして思えば、講演会で、私が「抵抗権」について質問した時に、
講演者が答えた、「抵抗権がなくとも、皆でわらわらとやって
いきましょう」という発言はこのことを言っているのだろうか、と
いう気がする。ロックの言うように、日常的に、小さく、部分的に
抵抗する必要があるのだと。すると、その講演者が、
「ドイツでは基本法に規定されていますが」と前置きした、
その「抵抗権」とはどのようなものなのだろう。

次のパラグラフは「ドイツ基本法の抵抗権」である。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 20:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
「抵抗権」を学ぶ 4
沈在宇氏の論文『抵抗権』から

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憲法政策的には、最小限四段階にわたって援用できる抵抗権として
みることができる。

(1)法として国家権力を制限する法治国家原則一般

(2)憲法破壊の前段階で法治国家憲法を維持するために行使される
   すべての抗議と示威、批判と反対

(3)憲法破壊の進行段階で法治国家を守護するために行使される
   憲法守護権

(4)憲法破壊後に法治国家憲法を回復するために行使される抵抗権


四段階にわたって行使される抵抗権の機能と目標は、法治国家憲法を
維持、守護、回復すること
である。

(1)(2)は憲法内的抵抗権、すなわち制度化された抵抗権であり、
(3)(4)は憲法外的抵抗権、すなわち制度化されていない抵抗権である。

両者は、シーソーのような力学関係におかれている。
つまり、憲法内的抵抗権が機能を正しく発揮していれば憲法外的抵抗権
は作用する余地はなく、憲法内的抵抗権の機能が弱化、あるいは喪失
すれば憲法外的抵抗権は強化され、発動される。


ケーギは次のように述べている。
「抵抗権と法治国家は、相互に力学的な原則のもとにおかれている。
憲法内的抵抗権が機能を失えば、憲法外抵抗権を呼び込むことに
なる。この法則が、このように作用しない場合には、奴隷状態への道
開かれることになる。」

憲法内的抵抗権と憲法外的抵抗権は、ともに法治国家憲法の構成要素
であり、憲法破壊に対処する憲法守護、憲法回復手段として、
法治国家憲法の内在的構成原理である。


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この憲法外的抵抗権として、実際、どのような行動が有りうるのか。

憲法破壊が進み、そして、もし、憲法外抵抗権が機能しなかった時、
行使されなかった時に、私たちを待っている、ケーギの言う
奴隷状態への道の怖ろしさ。


特定秘密保護法、安保法制(集団的自衛権容認)と強行採決で決めて
きた現政権に対し、私たちが示しているのは、おそらく(2)なのだろう。

ちなみに、youtube の動画で知った事実を一つ。

首相が「強行採決など考えたことは一度もない」と言ったこと
に対し、私は本当に驚いたのだが、新聞はかつて一度も「強行採決」と
書いたことはなく、朝日新聞は「採決を強行」とだけ書いたということだ。
なるほど、世間は首相の語った通りに流れている。新聞がなぜそうしたか、
それは官邸から厳しいクレームが来るからだそうである。

加えて共謀罪がすぐ控えている。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 23:54 | - | - |
「抵抗権」を学ぶ 3
沈在宇氏の論文 『抵抗権』より (鈴木敏夫訳)

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供)ー9餡鳩法の構成原理としての抵抗権


法治国家、あるいは、法治国家憲法と言う時、
それは何を意味しているのか。

現代の法治国家概念は、単純に法として組織され、法として治める
形式的法治国家を意味するのではない。

そうではなくて、法の内容と、法の価値に拘束される実質的法治国家を
意味する。

すなわち、人間の尊厳と価値、そして人権を尊重し保護することを
その目的とする法治国家を言う。

したがって、現代の自由民主主義法治国家憲法は、国家権力を
このような法内容と法価値をもって拘束している。

(この点で、日本国憲法の第97条の基本的人権を削除し、
日本国憲法第98条の、国家権力が尊重しなければならない憲法を、
第102条で、全て国民は、この憲法を尊重しなければならないとし、
拘束されるのは国民になっている自民党の憲法改正草案
では、
法治国家は達成されない。)

拘束するための、憲法上設けられたさまざまな制度が以下である。

権力分立制度

憲法裁判制度

弾劾制度

議会制度

選挙制度

司法権の独立

多党制制度

言論、出版、集会、結社の自由などの保障

表現、批判、反対、示威の自由などの保障


これらの制度は、国家権力の濫用を防止するためのものとして、

制度化された抵抗権

の機能をする。

憲法上の制度がまだ準備されていないか、または準備されていても
憲法的現実としてその規範力が発揮されていない場合は、
「制度化された抵抗権」は援用できない。

ケーギは、「制度化された抵抗権」を<憲法内的抵抗>といい、
「制度化されていない抵抗権}を<憲法外的抵抗>と呼んでいる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これらの憲法上「制度化された抵抗権」について、一つ一つ考えてみた。
権力分立制度は機能しているだろうか。一人一票裁判で繰り返される
「違憲状態」判決を思うと、司法と立法が分立しているとは、
どうしても思えない。

憲法裁判制度は無い。

3分の2の強行採決の連続で、国会が軽視されている今、議会制度は
機能しているとは思えない。

選挙制度はどうだろう。司法権は?『絶望の裁判所』を書いた
瀬木氏の話を聞いた。原発訴訟を思い起こしても、独立しているとは
思えない。これで、共謀罪が強行採決されてしまったら、
言論、出版、集会、結社の自由は? 表現、批判、反対、示威の自由は?

果たして、今もうすでに、この国で「制度化された抵抗権」の規範力は
失われかけているのではないだろうか。

国家権力の濫用を防止するための抵抗の余地はあるのだろうか。


なお、第102条で明らかになったように、自民党憲法改正案が目指して
いるのは、法治国家憲法ではない、ということだ。



| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 02:08 | - | - |
「抵抗権」を学ぶ 2
沈在宇氏の論文『抵抗権』(北大法学論集,44(6):441-468) から

序言

1991年に書かれたこの論文の背景には、当時、東欧圏で起こった
共産独裁主義の崩壊、1989年のベルリンの壁崩壊と、1990年の
東西ドイツ統一があった。この序言において、沈氏は冒頭に置かれた
中世後期の引用句が、20世紀末のこれらの出来事をあたかも
予言したもののようだ、と述べている。


「東欧で起きた一連の事態は、自由のために共産党一党独裁に
対する国民の抵抗権の発動にほかならない。」

「我々はこの偉大な革命を可能にした抵抗権の意義と機能を学問的に
考察する必要があろう。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここで、私は、1991年に、沈氏の本国である韓国では、どのような
ことが起こっていたのか、少しだけ調べてみた。

当時は盧泰愚大統領の時代。真っ先に検索できたのは、
韓流映画に興味のある人なら知っているであろう、韓国で未解決の
3大事件、即ち、『殺人の追憶』で描かれた、華城(ファソン)連続
殺人事件の最後の被害者が出た年であり、『カエル少年失踪殺人事件』で
描かれた、この名そのものの事件が起こった年であり、『あいつの声』で
描かれた、イ・ヒョンホ君誘拐事件が起こった年なのだった。

なお、金泳三大統領の文民政権が始まるのは1993年、金大中大統領の
国民の政府が始まるのは1998年である。弁護士から身を起こした
盧武鉉大統領の参与政府が始まるのは2003年である。


| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 14:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
「抵抗権」を学ぶ 1
「ある国民およびある時代が、自由というものをどう考えるか、
それが最初の問いである。いつ、どのような理由で、彼らの支配者を
暴力的な支配者だとして<暴君>と呼ぶのか・・・・そして、この時、
国民たちはその暴君についていかなる形態の抵抗を知っているかと
いうことが、つぎの問いである。これに対する答えは、いわば、
ある一国民の政治意識の水準を明らかにする。・・・・すなわち、
ある一国民またはある国家内において、暴政と暴君概念がどれだけ
活性化されているかによって、その国民が自由に与える価値とその
国民の自由一般に対する観念が明らかにされる。」

この引用文は、1936年ライプツィヒ大学に提出された中世後期の
暴君殺害論に関する博士学位論文の一節ということである。

「抵抗権」について論じている

沈在宇氏の論文『抵抗権』(北大法学論集44(6): 441-468)

は、この一節から始まっている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この冬、緊急事態条項を学ぶ講演会に出席して、質問時、
講演者に「抵抗権」について質問した。返答は、

ドイツ基本法には、「抵抗権」規定があるが、日本国憲法にはない。
しかし、皆でわらわらとやっていきましょう。

というものだった。事情がわからず、その後もんもんとして、
やっと自分で学べばいいのだと気づいた。
沈在宇氏の論文を少しづつまとめてみたいと思う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

目次を紹介する。

機―言

供)ー9餡鳩法の構成原理としての抵抗権

掘…餽蓋△領犒燭板餽馨況

  (1) 反対権としての抵抗権

  (2) 憲法守護権としての抵抗権

(3) 人権としての抵抗権

検…餽蓋△料反ゲ修筏範化の限界

后…餽蓋△寮掬化根拠と抵抗権論

  (1) 孟子の抵抗権論(易姓革命論)

  (2) Milton の抵抗権論

  (3) Locke の抵抗権論

(4) Rousseau の抵抗権論

此〃觚


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

西欧では抵抗権は、まず、キリスト教の教えから生まれたと言われる。
神の国に帰依する信者が、神の権威は国王の権威の上位にあるとして、
抵抗し、数多く処刑されていった事実がある。

それを言うのなら、かつて日本にもキリスト教に殉じて、多くの信者が、
時の権力者に従わず、処刑されていった。また、それ以外にも、
いくつもの政治的な反乱があった。そう言えば、百姓一揆も。


| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 07:34 | - | - |
責任主義 −憲法−
昨年12月21日に、東京都北区北とぴあで開かれたシンポジウム
『衆議院議員選挙をどう戦うか〜立憲政治の再生を〜』で語った憲法学者の
石川健治氏の話から、ポイント的にまとめたいと思う。

石川氏が立憲主義の要として語ったのが、「責任主義」という考え方だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

責任主義には2つの責任がある。

責任の一つは、政治家の責任
憲法前文には、「国政は国民の厳粛な信託による」と書かれており、
これこそ、責任主義の現れである。
国民がいったんはすべてをまるごと議会(政治家)に預ける。
だからこそ、預けられた側の政治家には責任が発生する。
信託された政治家はやりたい放題でいいわけがない。
むしろ、国民に対して議会政治家には重たい責任が発生する。

憲法66条3項には、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し、
連帯して責任を負う。」とあるように、不信任決議がされれば、
内閣は総辞職をしなければならない。

責任主義にはもう一つの責任がある。
それが、国民自身の責任である。
すなわち、現在の国民が過去の国民と将来の国民に対して持つ責任である。

憲法97条には、過去の国民から、現在と未来の国民に人権が
信託されたのだ、と書かれている。

「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる
自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に
堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利と
して信託されたものである。」

この預けられた基本的人権を煮て食っても、焼いて食ってもいいという
ものではない。預けられた方には責任が生じる。
過去の責任、戦争で亡くなった人々に対して我々は責任を負っている。
勝ち取った人権というものを繋いでいかなければならない、という責任を
負っている。誰のためになのか?

それは将来の国民のためである。

国民と、国政を委ねられた議会政治家たちの責任の関係というのは、
まずは説明責任というものである。それが十分でなければ、選挙で負けて
辞職となる。

ここで国民自身の責任について考えてみる必要がある。
選挙権とは何なのか。選挙権とは権利であるだけではなく、公務でもある、
という考え方が通説である。責任を負っているのであり、公務である、と
強調している。一体誰に対する責任なのか。過去の国民と将来の国民に
対してである。

権利ならば、行使しない自由があるというわけだが、本来は過去と将来の
国民のために投票しなければならないはずだ。

こういう考え方が、個人の尊厳というところから出てくる。

将来の国民のために投票する。この中には、自然環境を不可逆的に
破壊してはいけないとか、やっと獲得した自由を失ってはならないとか、
あるいはまた、平和が含まれている。

この責任というコンセプトを大事にしていってほしい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

石川氏は、このシンポジウムの主催者である市民連合に対し、
聴衆に対し、こう述べて、責任主義という考え方について考えてほしい、
と要請した。

石川健治氏の言葉の引用は、iwj 1月12日配信の動画による。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 16:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
升永弁護士の記事−日刊ゲンダイ
かねてから、一人一票実現国民会議を主宰されている升永弁護士を
応援、その意見広告を拡散することに奉仕したいと
願ってやってきました。

10月20日、日刊ゲンダイで以下のように升永弁護士のインタビューが
掲載されましたので、拡散いたします。
pdfで読めますので、拡散も容易です。皆様、拡散よろしくお願い
いたします。

https://dl.dropboxusercontent.com/u/22296289/Ngendai20161020.pdf

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 01:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
安保法制違憲・差止訴訟と『赤ペンチェック 自民党憲法改正草案』 伊藤真著
2016年9月29日 東京地方裁判所において、安保法制違憲・差止訴訟裁判の
第一回口頭弁論が行われ、その後、参議院議員会館において、報告集会が
開催された。自分が参加できたわけではないが、IWJの報道において、
全編見ることができた。

報告集会では、冒頭、寺井一弘弁護士の説得力ある挨拶があった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

傍聴席は満席で、傍聴券を得られない人々がたくさんいた。
ヒットラーは、「人々は理解力は少ないが、忘却力は大きい」と
語って、大衆を操作していった。忘却との戦いが私たちにとって大事だ。
テレビでは、全国的に、東京の豊洲問題が報じられているが、
何らかの圧力があるのではないか。
自民党本部は、昨日、全国47都道府県に対し、あの悪名高い自民党改憲草案を
たたき台に憲法を議論する場を設けるように、という通達を出した。
これによって、国民運動を造成してゆく、という指示を出した。
あの改憲草案は、思想において、本質において、内容において、
現在の平和憲法とは、全く質が異なるものである。自民党内部にも
異論のあるものである。しかし、マスコミ関係者によれば、安倍さんに
異論を唱える者は全くいないという。
今日、原告3名の方々の話を伺い、弁護士仲間でも難しいといわれた
この訴訟を起こして本当によかった、と思う。
今後、全国でこの訴訟の準備が進んでゆく。全国の市民、弁護士の方々と
共に闘ってゆきたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なお、今回、意見陳述された原告の3名の方々とは、次の方々である。

志葉玲氏(戦場ジャーナリスト)
金田マリ子氏(東京大空襲被害者孤児)
富山正樹氏(自衛官を息子に持つ父)

同じく弁護士の伊藤真氏から、自民党改憲案を学ぶために
『赤ペンチェック 自民党憲法改正草案』大月書店 の紹介があった。
私もすでにPDFで、現行憲法対照付きの改正草案をプリントしていたが、
明日にでも、書店で『赤ペンチェック』を見てみたいと思っている。
税込み1,080円ということだ。

法律の専門家でもなんでもない私たちに、
解りやすく、自民党の改憲草案の悪質さを学ぶことができる指南書が
どうしても必要だ。

なお、現行憲法対照で改憲草案を英語に翻訳しているのは以下のサイトだ。

http://www.voyce-jpn.com/ldp-draft-constitution

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 02:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
自民党の憲法改悪草案
是非見て欲しい。これは、一人一票実現国民会議を主宰されている
升永弁護士が自力で出している広告です。









憲法第21条は、以下のようになっています。

集会結社及び言論出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


それでは、自民党の憲法改正草案では、第21条はどうなっているでしょうか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。

2  前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一応最初の条文では、表現の自由を認めるものの、2で、公の秩序を害することを目的とした場合は認められない、という条件が付いているのです。しかも、公の秩序を害すること、という曖昧な表現で、これに、市民の権利であるデモや、街宣活動が入ることも考えられます。サイレントデモでさえも、ある人が、「公の秩序を害している」と判断すれば、それはできないことになります。


自民党憲法改悪草案について、多くの人々と知識を共有しなければなりません。升永氏の Facebook を是非ご覧になってください。


マスコミは決してこのことを報じません。一人でも多くの人々に
このことを伝えたいのです。ドンドンコピーして、伝えてください。
よろしくお願いいたします。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 03:04 | - | - |
One for one 2016年5月3日 東京新聞広告
昨年の5月3日は、横浜臨海パークで憲法集会があり参加しました。
そして一年後の今日は、神戸の東遊園地での憲法集会に参加しました。
神戸では、主催者発表で、1万1000人の参加者でした。
東京有明では5万人を越えたそうです。

そして、夜になって、
一人一票実現国民会議からメールが届きました。
今日、憲法記念日に出された広告です。

升永英俊弁護士のメッセージと共に、こちらでも掲載します。
残念ですが、技術不足でこれ以上明瞭になりません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




民主主義とは、

(1)国民(主権者)が議論・説得し合い、

(2)最終的には国民の多数決で政(まつりごと)を決めることである。



(1)のプロセスで必要なのは、【言論の自由】である。

(理由) 

国民は、諸々の情報に基づいて物事を判断する。国民は、ある政策実現の
ために必要な過半数の国民の賛同者を得るために、自らが情報を発信して草の根運動をする。その際、国は、言論の自由を制限してはならない。(憲法21条)

但し、自民党改憲案21条2項は、【現憲法の「言論の自由」を否定】している。

(2)のプロセスで必要なのは、【1票等価値の投票権】(人口比例選挙・1人1票選挙)である。

(理由) 

国民が等価値の1票で投票しない限り、国民の多数決にならないからであ
る。(憲法56条2項、1条、前文第1文)

国民(主権者)は、【各選挙区で、】自己の望む政策の実現を約束する政党の議員を1人1票の選挙(=人口比例の選挙)で選出して、その政党の議員を国会で過半数にして、国民の多数意見で首相を選び、かつ立法することを最終目的とする。

ところが、福井選挙区の有権者数を基準として、同選挙区から2名が選出されるとし、人口比例で定数配分すれば、新潟選挙区の有権者は、6名の国会議員を選出できることになるのに、現在の非「人口比例」の選挙区割りでは、新潟選挙区からは2名しか選出できない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なお、2016年3月26日付け臨時に発行された One for One Times を
追加掲載します。

念のため、リンクを貼っておきます。

http://www.ippyo.org/topics/pdf/20160404001.pdf






7月参院選の際の国民審査の切り抜き付きです。是非利用してください。


4月30日に早稲田大学で行われた、早稲田ユニオン等の主宰する
シンポジウムに登壇した、福島瑞穂氏は、語っています。

「参院選で安倍政権が3分の2を勝ち取ったら、彼らは必ず、自由な集会、
発言を弾圧しにかかるだろう。」

私たちは、今、その危機に瀕しているのです。


| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
一人一票を求める裁判の判決について
昨日、一人一票を求める裁判の最高裁判所大法廷判決が出ました。

2014年12月14日に行われ、全選挙区で違憲の訴えがなされた衆議院選挙は、

違憲状態にあるが、
違憲・選挙無効を棄却する。

以下の動画を見て欲しい。

https://www.youtube.com/watch?v=NIxhilb88oY&feature=share

この記者会見で、各弁護士の方々は、昨年11月の判決にあった
最高裁判事の少数意見にある「正統性」、また今回の判決の中の
補足意見にある同じく「正統性」という言葉から、
そもそも昨年12月にすでに違憲状態であった中で行われた選挙で
選ばれた国会議員には「正統性」はなく、現在の政権、国会が、
「正統性」のない国会議員によってなりたっていることを明言、
にもかかわらず、

憲法98条の条文

「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、
詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を
有しない。」

すなわち、違憲立法審査権を行使できない最高裁判所が最大の問題で
あることを特に升永弁護士は指摘して、

「もはや日本には三権分立は、ない。」

と述べ、記者たちには次のように要望しています。

「2倍と書くのは意図的だ、0,5票と書いて欲しい。」


ちなみに私の選挙権の価値は、衆議院 0,51 票、参議院 0,43 票です。

自分の投票価値を自分自身の目で確認し、より多くの人々にこの事実を
知らせるなど、次の投票行動に活かすしかありません。
最高裁判所に信頼がおけない以上、私たちにできることは、もはや
それしかないのです。

一人一票実現国民会議HP
http://www.ippyo.org/index.html

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 14:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
11月25日 一人一票裁判 判決期日指定
以下のメールが、一人一票事務局から送られてきました。
いよいよ、判決です。




1人1票実現サポータの皆様 

こんにちは!

1人1票裁判(2014衆院)の大法廷判決期日が

2015年11月25日(水)午後3時に指定されました。

平日ですが、できるだけ多くの人が判決に立ち会えるよう、呼びかけをお願いいたします!

今回の判決が1人1票判決ではなく、来夏の憲法改正で、47条が自民党改正案で改正されれば、日本は、事実上、国民主権国家ではなくなります。

日本の最高裁が、憲法の下に独立し、健全な判断をすることを期待しています。

先月の弁論の様子、今後の判決言渡当日の予定など、HPにアップしましたので、ぜひご覧いただいき、

ツイッター、フェイスブック、ブログなどで情報発信をお願いいたします。

http://www.ippyo.org/topics/2015110501.html

HPの更新も、全てサポーターの方のボランティアによって行われております。

感謝、感謝です。

是非、みんなの草の根活動で1人1票を実現しよう!

一人一票実現国民会議 事務局より☆


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これで、もし一人一票という判決が出なければ、来年、参院選で
自民党憲法案で戦うと明言している安倍政権のもとで自民党が勝利し、
憲法が改悪された場合、国民主権では、なくなってしまい、もう、
このような裁判を起こすことさえできなくなってしまう、と、
記者会見で、弁護士の方々が訴えていらっしゃいます。

さらに、自民党憲法案第98&99条は、非常事態法であり、
これは、ヒトラーがナチス政権で行った共産党を始めとする
反対派の粛清を可能とするものだと、升永弁護士は非常な危機を
表明しています。

是非とも、上の url のサイトに行き、10月28日の
口頭弁論後の記者会見を、Videonews.com で見て下さい。
現在無料放送中です。

また、25日の判決言い渡しに、可能な方は行っていただきたいです。


なお、ペギダについての記事は、金曜〜火曜に仕事が集中している為、
水曜以降の更新となります。


| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 21:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
10月28日 一人一票裁判 口頭弁論




以下のメールが来ました。画像とともに、掲載いたします。
関西在住で、口頭弁論の傍聴に行けません。
可能で、応援したい方々にはできるだけ行っていただきたいです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

みんなの1票 みんなで1票
一人一票実現国民会議 事務局より☆ 

1人1票実現サポーターの皆様

こんにちは!

10/28(水)の最高裁弁論まで、あと1週間となりました。

6年間、1人1票裁判をウォッチしてきましたが、今回の裁判は、あとにも、さきにも、最も重要な裁判になると思います。
今回の判決で最高裁が1人1票の原則を明言しなければ、来夏の参院選を経て、日本は国民主権国家ではなくなり、国会議員国家になってしまと推察されるからです。
明日(東京新聞)、明後日(中日新聞)で、10/28(水)最高裁弁論に関する意見広告(全面広告)が、掲載されます!
ぜひ、コンビニでお求めになって、来週の弁論のことをSNSで広めて下さい。
そして、お時間があれば、是非、最高裁弁論に参加して下さい!

当日は、例年どおり、0.6票君としんさ君との記念撮影等も予定しております。
弁論当日用のチラシはこちらから!→ http://www.ippyo.org/topics/2015020201.html

弁論は、傍聴希望者が多い場合、抽選となります。
抽選のための整理券の配布〆切時間は例年ですと12時半ごろになります。
時間が確定しましたら、再度、国民会議HP、ツイッター、フェイスブック等でお知らせいたします。

弁論に参加して、1人1票の原則を明言する最高裁裁判官へ、エールを送りましょう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以前 twitter でこの問題について応援していることを表明したところ、
「富裕層の犬」というリツイートがあり、その他の点でも
個人の twitter に限界も感じてやめてしまった、ということがあります。
この問題、いろいろと思い悩むところですが、
やはり、理想として、いかに地方の代議士であっても、国会議員は
地方の総体として、国全体のことを考えるべきなのではないか、と思います。

| Till*eulenspiegel | 憲法 - Verfassung | 12:39 | comments(0) | trackbacks(0) |

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